Bico創刊号にアトピーと漢方薬について取材を受けました。
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古典漢方薬が専門の私の元には、小児から大人までアトピー性皮膚炎でお困りの方が、毎日たくさん相談にいらっしゃいます。
アトピー患者さんのお話を聞いて相対的に感じるのは、糖分の取り過ぎであるということ。お菓子、ジュース、スポーツ飲料、コーヒー、果物など、トータルすると大量の砂糖を無意識のうちに摂取している様子が伺えます。
五行説(ごぎょうせつ)では、皮膚は「肺」の支配であり、甘い物を食べ過ぎると「脾胃(ひい)」が強くなりすぎて「肺」を虐め、皮膚の働きを弱めます(*1参考)。
もちろん、アトピーは甘い物だけが原因ではなく、環境の汚染、食品中の添加物、刺激の強い合成洗剤や合成石けん等、色々なことが複雑に重なり合って発症
します。しかし、まずは甘い物を減らすなど、ご家庭で出来ることから少しづつ見直し、体にとって良い環境を作っていくことが大切でしょう。
古典漢方薬ではアトピーを、皮膚やそのすぐ下の肉に熱を持ち、そのこもった熱のために赤みが益し、さらにはカサカサして痒みが酷くなるととらえています。
この時、こもった熱を冷まそうとして、患部に水が集まりジュクジュクしてくることもあるのです。
こうした体質を改善するには、皮下にこもった熱を除き、カサカサに乾いてしまった津液(しんえき、俗に言う体液の意味)不足を補うために、消炎作用や湿潤作用のある生薬が配合された処方を使います。
消炎作用のある生薬としては「オウゴン」「セッコウ」などが代表的で、湿潤作用の物は「ジオウ」「タイソウ」などが多く用いられています。
また赤みの強い方、乾燥の強い方、堅く角質してしまった方、割れてジュクジュクしてしまう方など、体質症状に合わせて処方を決めますが、漢方薬の場合は特に専門家に相談して処方を決めた方が良いでしょう。 |
(*1)五行説(ごぎょうせつ)とは、古代中国の自然哲学で、万
物を五つに分類し、それぞれが助け合ったり邪魔をしたりする関係>
にあるという考え方です。
脾胃(ひい)は五臓六腑を五行説で分けたときの1つ。甘いものを食べ過ぎると脾胃が強くなりすぎて肺を虐め、皮膚の働きを弱めます。
(例)「土(脾胃)(甘い)」は、甘い味で強くなります。「土」が強<
くなると「水」を虐め、「水」が弱くなると虐めっ子がいなくなるの
で「火」が強くなるのです。そして強くなった「火」は「金」を虐
めることになるので、結果「金(肺)(皮膚)」が弱くなるのです。
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