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当帰芍薬散
当帰(とうき) 甘温 中を暖め外の寒をしりぞけ気血の行りをよくする
芍薬(しゃくやく) 苦平 腹満、腹痛を治し、たるみを引き締め痛みを除く
茯苓(ぶくりょう) 甘平 水を収め乾きを潤しその不和を調う
白朮(びゃくじゅつ) 苦温 水をさばきその滞りを除き小便を調う
澤瀉(たくしゃ) 甘寒 熱を去り乾きを潤す 小便不利を治す
川窮(せんきゅう) 辛温 気の廻りをよくして、のぼせを下げ腹痛を治し
月経不順を調え、胎児を安んず
効能解説
生薬には味があり「温」「寒」「平」の働きがありますが、当帰芍薬散は温剤の
「当帰」「白朮」「川窮」と苦平ではあるが冷える側に位置する「芍薬」「澤瀉」の
「温」「寒」両方の剤が配合されています。
さらに、「茯苓」「白朮」「澤瀉」の3味は、水を調節する働きを目的としています。
妊娠中猛烈に腹痛を起こしたり、平素 水はけが悪く冷え性で月経不順や
下痢しやすい症状によい。便秘症の者には余り使わない。但し、冷えが原因で
便秘している場合は使用可。不妊には水が邪魔をして冷え、水っぽい体質の
方に用いる。逆に水っぽく無い方は、当芍を飲むと、体内の水分を取るため
内側に熱を持ちやすくなり便秘が酷くなったりする。
水の有無を慎重に調べる事が必要。
現在、その知名度からか、婦人病の代表的な処方として広く使われているようだが、
ただ温めるだけではなく、腹満や水帯が大きな目標である。
冷える成分の「芍薬」「澤瀉」が多く含まれているので、合わない場合も多い。
胃気の少ない人(胃の弱い人)は「芍薬」により胃が痛くなります。
正式な漢方では「散剤」であるので、生薬を直接粉に挽き配合して調合される。
この処方を、煎じて服用したり、煮汁をフリーズドライしたエキス剤などは、本来の
当帰芍薬散とは別のもであり、本来の効き目も期待できない。

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